月曜日, 2月 19, 2007

Vista発売後の失速を見て,今更ながらに思う

Vista発売後1週間目は前年比で大きく売上を伸ばしましたが,2週目に入って早速前年の同週を下回った。この失速の背景には「糞重いVistaに乗り換えるメリットがない」という論調と,そんな中発表されたXPの超大幅なサポート延長(~2014)があるだろう。この延長ニュースを目にして「MSはVistaが欠陥品であることを認めてしまった」といった反応を示している人もいるようだ。

「Vistaに乗り換えるメリットはない」―この台詞を僕はあちこちのブログ・掲示板で目にした。しかし、彼等もいずれは乗り換えるのだろう。
そもそも、プラットフォーム業界とは

MSが新しいプラットフォーム・APIを公開。既存のPCでは重い(誰も買う気ナシ。メリット無し)

新しいAPIを使ったソフト(MS自身が作るOfficeとか)がリリース→重い新プラットフォームをユーザーが買わざるをえない

新プラットフォームが快適に動く高性能なチップをAMD(旧ATI)やNVIDIA、Intelなどが開発し、減価した旧製品より高い値段で売り儲ける

そのうち新プラットフォームが動くPCが安くなる。

ここでMSがさらに重い新新プラットフォーム・APIを公開。既存のPCでは重い。誰も買う気ナシ

新新APIを使ったソフトがリリース→ユーザーが重い新新プラットフォームを導入せざるを得ない

新新プラットフォームが快適に動くチップをAMD,NVIDIA,Intelが・・・

の無限ループであることはとっくに分かりきっていることだ。(まあ、プラットフォーム云々に関わらず、資本主義経済の構造的特長でもあるのだが)
もっとも、この無限ループから脱したたくて社会主義国へ行ったとしても、その構造的モノ不足は資本主義経済の消費と生産に支えられる富の拡大再生産の構造的な弊害とは比にならない苦痛であるだろう。

結局、Vistaを否定することはその場しのぎの自己満足に過ぎないのだ。いつVistaを買うのが賢いか,MSの提示するロードマップや過去の経験などと相談しながら考えるのがもっとも生産的であるといえるだろう。
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