日曜日, 11月 27, 2005

Intel VS AMD (3)

1999年 AMD Athlon出荷(650MHz)
窮地に立たされたAMDは、ついに自社内で開発を進めていた「K7」コードネームのハイエンド向けプロセッサの投入に踏み切った。
正式には「Athlon」という名前で出荷し、初期には600MHz版と650MHz版をラインナップした。
急遽Intelも600MHz版のPentiumIIIを出荷したがAthlonは同クロックのPentiumIIIより低価格で、且つPentiumIIIとの50MHzのクロック周波数の開きがあったためAthlonCPUは速い、というイメージを市場に植えつけることとなった。
ではソケットの問題はどうなったのかというと「SlotA」という全く新しい規格をAMDが創り出した。
そのためマザーボード代を考えたときAthlonの低価格さは相殺されるが、「市場最速」のイメージと共にAthlonCPUは一挙に普及していった。
というのもL2キャッシュが少ないAthlonがなぜ最速なのかというと、1クロックあたりに処理できる情報がPentiumシリーズに比べて絶対的に大きいからである。

AMD 700MHz版Athlon出荷

1999年 Intel Celeron 500MHz版出荷
1999年 Intel Coppermine型PentiumIII出荷 (700MHz)
Coppermine型のPentiumIIIは、L2キャッシュ内蔵、FSB倍増、製造プロセス細分化により更に高クロックが実現できるようになり、またクロックあたりの性能もAthlonに引けをとらないものとなった。
そして733MHzPentiumIIIの出荷によりAthlonは最速CPUの座を奪われてしまい、急遽750MHz版を出荷、それを受けてIntelも800MHz版を、そして2000年にAthlon800、850MHz版を出荷、IntelもPentiumIII850MHzを出荷した。
ところがPentiumIIIでは製造の都合上これ以上クロックをあげることが困難になってしまい、現在のCoppermine型PentiumIIIから修正を加える必要性が出てきた。
そしてAthlonは以前からL2キャッシュが外付けだったのでL2キャッシュを内蔵したAthlonの開発を急いでいた。
2000年 AMD Athlon 1GHz出荷(L2キャッシュの速度のみ300MHz)
2000年 Intel PentiumIII 1GHz出荷(限定販売)

2000年 AMD K6-2クロック向上断念
2000年 Intel Coppermine型Celeron出荷 (600MHz)
2000年から出荷されたCeleronは、PentiumIIIからL2キャッシュを半減させたものである。
故に更なるクロック向上が可能になった。
つまりサーバ市場はIntel-PentiumIII Xeonが独占
ハイエンド市場はAMD-Athlon1Gクラスが優勢
ローエンド市場はIntel-Celeronが独占した。

2000年夏、Intel PentiumIII 1Gクラスの量産開始
AMD L2キャッシュを内蔵したThunderbirdコアのAthlon発売
AMD AthlonからL2キャッシュを減少させた「Duron」をK6-2に変わってローエンド市場に投入
Duron・・・600、700MHz
2000年 Intel 700MHzクラスのCeleronを発表


2000年 AMD Athlon 1.2GHz版発売
2000年 AMD Duron 800MHz版発売


2000年 Intel Pentium4 発売(1.5GHz)

Pentium4はL1キャッシュの減少など、性能を削る代わりに製造方法を改造して、クロック周波数のみを向上させる方式をとった。故に既に一部のデモなどで2GHzでの動作を成功させていた。
しかし一般ユーザはCPU購入の際難しいベンチマークテスト結果の英字グラフよりも、一目でわかる「クロック周波数」を参考にしていた。
そのためAthlonの1.2GHzとPen4の1.5GHzが同性能であっても誰もがPen4の1.5GHzを購入するだろう。
また非常に小型であるPentium4はいくらでも値段を下げることが可能だった。

その間Duronは900MHz版発表しローエンド市場を独占すると思われた。
しかしあまりにもPentium4が売れたためCPUといえばIntel-ではローエンドは...Celeron。
なかなかDuronがローエンド市場を独占することは無かった。

そして値段の高価なPetiumIIIとAthlonの市場はいくらクロックあたりの性能が良いといっても急速に萎んでいった。

2001年 Intel TualatinコアのCeleronを出荷(1.4GHz)
これにより一挙にIntelがローエンド市場を制してしまった。
またIntelはサーバ市場向けに「Xeon」というPentiumIII Xeonの次世代版を投入。
よってすべてのプロセッサ市場をIntelが制してしまった。




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