木曜日, 4月 19, 2007

フランス大統領選挙


フランスの次期大統領候補はロワイヤル氏とサルコジ氏に絞られてきましたが、両氏とも、
特にロワイヤル氏は日本のアニメに「暴力的・女性蔑視的」等否定的見解を出しているそうです。


変わって中国では胡主席が江沢民の流れを汲む派閥を抑え、対日関係を良好にしようと努めています。
小泉元首相の頃はブッシュ大統領と小泉氏の個人関係が非常に強かったため、靖国参拝などを通じて対東アジア諸国との緊張状態を維持することでアメリカを東アジアに引き止めるという戦略が可能でしたが、安部氏にそれは難しいと踏んだ胡主席はさまざまな形で日本に対するアプローチを仕掛けています。
また、右派である安倍首相は議員時代から態度を一転しそれを歓迎していますが、彼にそのようなことを中国がさせることができるとはやや考えがたいので、アメリカ経由で何らかの圧力があったと考えることもできるでしょう。
また、これからアメリカが韓国における軍備を日本におけるそれ以上に縮小することは確実ですので、仮に韓国で現在のハンナラ党の躍進が続き右派政権が立ったとしても韓国がアメリカの傘に入り続けることは難しいでしょう。
そして北朝鮮に関してはアメリカは一貫して中国にその管理を押し付けており、また中国は難民を避けたい事情から生ぬるい対応を続けていますので、北朝鮮における社会主義政権は維持されると見て間違いないでしょう。

このような現状を踏まえると、現在アメリカが急激に東アジアにおける覇権の中国への委譲を進めている。
中国としてはそれは万々歳とも言えるが、冷戦期に日本が漁夫の利を得たのを見てきたので、
右傾化が始まっているとされる日本にコストのかかる部分はやや請け負ってもらいたい。
このように考えられるでしょう。
そうすると、これからの日本の東アジアにおける外交は、日米同盟の空洞化を以前から注視しているロシアを除いてまず大きな不安定要素は無いといえるでしょう。

このような流れが続くと、日本の左派の「アジア重視」の主張が現実味を帯び始め、相対的に欧米諸国との関係を軽視する風潮が国民の間に広まりかねません。
更に、最近右傾化しているとされる世代は「憂国」の傾向があるので、簡単にそういった主張に流されアジア重視に流れる可能性があります。
また、それはアメリカ・中国ともに望んでいる傾向なのでTVなどのメディアにおいても何らかの形で現れると考えて自然でしょう。

今回のフランスの大統領選いかんによってはEUにおいてWindowsに対してのそれのように
日本のアニメに対してもどんどん規制を強める、という風潮が広がるといえるかどうかというとそれは微妙ですが、これからの中東における混乱に際して、少し道を誤ればEUと対立してしまうことが懸念されます。
しかし、日本の国民がそれを甘んじ、アジアとの一体感に浸ってしまうとグローバル社会においての日本の立場-特に国連での発言権や、安保理常任理事国云々の問題でも非常に弱い立場となってしまうでしょう。
近代日本の経済・外交は欧米とともに進んできたため、そういった国々のエリートからはほかのアジア諸国とはやや異なる目で見られてきた歴史がありますので、この現状を潰すことがないよう細心の注意を払わなけらばならないでしょう。

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