月曜日, 12月 11, 2006

米サン・マイクロシステムズが16コアCPU「Rock」を発表。インテルやAMDなどx86系CPUからのシェア奪還に一手

米サン・マイクロシステムズ社(以下サン)がSPARC系チップである「Rock」プロセッサを発表。Rockは16コアで構成されており,インテルやAMD、VIAなどが提供するx86系プロセッサ(最高4コア)、IBMなどが提供するPower系プロセッサ(最高6コア)をコア数で大きく引き離した。

MPUはその基本的な構造により幾つかの種類が分けられる。現在はほとんどのPCや一部サーバー・ワークステーションにて採用されている「x86」アーキテクチャが主流だ。Windowsはx86プロセッサ上でしか動かない。
そして、幾つかのサーバー、ワークステーションやゲーム機、それに一昔前のMacは「Power(PPC)」アーキテクチャのものだ。ただし、Powerというアーキテクチャの既定は非常に緩やかであるのでx86ほど各MPUに互換性があると言うのではない。そのため、事実上x86がMPU界の王と言えるだろう。実際、x86系のMPUは大規模なリリースのたびに非常な注目を集める。

ところがかつてはSPARCアーキテクチャもx86やPowerに劣らない程ポピュラーであったし、そもそもMPUのアーキテクチャと言うものが今ほど標準化されておらず、当時i486やAlphaなど主要なMPUは別々のアーキテクチャであることが多かった。
ところがその後Windowsの普及などと共にx86とPPCに製品群は収斂されていき、SPARCのシェアもかなり二者に奪われてしまった。今では組み込みさえx86やPPCのMPUを採用している場面も多い。
そうした流れがあってサンは自社のSPARCプロセッサの延命のためいち早くマルチコアに目をつけ、UltraSPARC T1「Niagara(ナイアガラ)」という8コアMPUをリリースするに至った。
そしてついに今回、他に比類のない「16コア」というコア数を実現したのである。
最近のサーバやワークステーション、ハイエンドPCの一部は複数のMPUをCPUとして積んでいるが、今回リリースの16コア「Rock」はたった一つのMPUでそれらに代替できるため消費電力などの面で非常に効率的であり、またSPARCの先進性を披露する事にもなるのでユーザーの流出をある程度食い止めることができ、サンにとっても買い換えによる需要が期待できるといえるだろう。

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