金曜日, 12月 08, 2006

65nm版Athlon64-X2から少し考えるPart2


前回は、「これから長きに渡ってAMDの反撃が始まるだろう」と述べましたが今回はそれについての詳説を行います。

より細分化されたプロセスで製造されたAthlon64X2は内部的にはAthlon64FXながら従来のもの拠り3割も消費電力を削減している。インテルのPentiumDからCore2Duoへのに匹敵するほどの変化だ。これだけでも大きな世代交代といえるだろう。
そもそもインテルより遥か小さな企業であるAMDは一時期の流行に乗ったりインテルに特許料を払って似たような製品を作ったりすることは出来てもすぐにぼろが出、より大きい企業であるインテルに屈するはずであった。実際,AMDはインテルのパクリをやめ全く新しく作った5k86を徐々にアップデートしていき、そこそこの地位を確保し、90年代後半のK6-2の頃にはインテルにとって明確な競争相手であると同時に脅威となるほどになったが,やはりK6-Ⅲで技術的失敗を犯し大きく落ち込んだ。
ところがその後Athlonで復活し,今日のAMDがあるわけだ。つまり消費者にとってのAMDとはAm386などから始まるインテル下請け時代と、5k86移行の独自技術時代Ⅰ、そしてAthlonで大復活を果たした後の独自技術時代Ⅱに分けられる。
さて独自技術時代Ⅰに最盛期だったK6-2からガクンと落ちたように、Athlon64が軌道に乗り始めたところで,インテルが徐々にプロセスの細分化という製造の基幹部分で先行し始めた。そしてCoreマイクロアーキテクチャに至った訳だが今回は違う。AMDは,企業規模だけで言えばインテルを凌駕するIBMとの提携と言う英断を既に下していたため,インテルにまる1年遅れることなく65nmプロセスを実用化できた。そしてそれはすぐにAMDの全ラインナップに影響を及ぼし、08年には更に次世代の45nmプロセスの実用化を目指している。そしてそれ以外にもOpteronやコードネーム:Barcelonaなどかつてない強力な製品群がAMDの手元にはある。「大きなウィンテル」を終わらせ21世紀の新しい時代を開く役目のひとつが今のAMDの双肩にかかっていると言っても過言ではないのだ。

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