水曜日, 12月 27, 2006

ひろゆき氏「Web2.0は金にならない」


モバイルビジネスに関する「Mobitec2006」というイベントが催された。そこで、携帯端末向けWebサービスにおいての巨匠―モバゲータウンで有名なDeNA社川田尚吾COOと「EZ-GREE」で有名なグリーの田中良和社長の討論が行われた。そこには未来検索ブラジル社取締役であり2ちゃんねるの管理人(代表)である西村博之氏も参加し、2人の討論をフォローした。

DeNA/GREE両者ともに広告型のWeb2.0的ビジネスを、PC以上にネット利用者が多い携帯電話ユーザーの世界に持ち込もうとしている。既にPC向けのWebサービス市場ではかつてのような広告ビジネスの劇的な成長は見込めなくなり、携帯端末向けWebサービスに広告型ビジネスの成長の活路が絞られてきた。
そんな中DeNA社の「モバゲータウン」は大成功し、中高生というユーザー層だけ見れば既に飽和状態といえるまで成長した。そこで20代という新たなユーザー層の開拓を進め、今日の成長を実現している。
同様にGREEやmixiなども携帯向けサービスを開始したが、モバゲータウンの後塵を拝すに留まっている。

そんなWeb2.0業界であるが、ひろゆき氏は「Web2.0は商売にならない」と考えている。
その理由は単純明快で、そもそも広告ビジネスとは、儲かっている―つまり「商売になっている」Webサイトへ誘導することでそのおこぼれをあずかるというのが幹である。
しかし、広告ビジネスを行っているサイトのアクセス数が膨大であるため、現在は商売として成り立っているのである。
ところがこれからWeb2.0の世界は縮小するようには見えず、それどころか日々急拡大している。すると、「儲かっている」サイトは今までと同じ数なのに「おこぼれをあずかる」サイトがどんどん増える形となる。つまり、広告を通じて儲かっているサイトへアクセスするカウント数はどんどん増えるのだ。しかし、儲かっているサイトがそれに比例して売上を伸ばすわけではない。少なくともおこぼれをあずかるWeb2.0サイトの伸びよりは低いのである。すると、Web2.0サイトからの1クリック当たりの価値がどんどん低下し、結果的にWeb2.0市場は大幅な「減価」に見舞われるわけである。

ひろゆき氏は

「広告モデルはうまくいかない、と第1次ネットバブルで分かったはずなのに、また盛り上がってる。みんな、3年ぐらいで記憶をなくしちゃうのかなと思う」


とおっしゃっているが、携帯市場ではではコンテンツを有料で売る形式が定着しているので、携帯電話でいうところの公式サイトなどの課金モデルを参考に成長を模索することが可能であると考えているようで、DeNAやGREEの方式には一定の理解を示していた。

要するに、Google等のビジネスモデルはWeb2.0バブルの下支えがあって実現しているのであり、油断はならないということであろう。

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