土曜日, 3月 10, 2007

生きるとは-1

かの有名な東京Kittyさんのブログで,人生1000年時代はSFでもなんでもなくなったということが述べられていました。脳等の神経系中枢部を他の肉体とは別に安全なところに移し,それでもって脳内でのガンやその他疾患を防ぐことにより,近いうちに人類の寿命が極端に伸びるらしいです。120年も夢じゃないと仰ってますね。例のごとくLivedoorニュースでガン医療が進歩したという記事があったのを見て大げさに話を広げているようです。

で、Livedoorニュースの内容によれば,がん細胞をアポトーシス(自滅)させる引き金を見つけたとのことです。通常の細胞にはテロメアというものがあって、分裂のたびにそれが縮み最後には分裂できなくなるのですが,がん細胞は無限に分裂を続けるのでアポトーシスかネクローシス、若しくは栄養失調にならない限りその命は増殖を続けます。要するに永遠の命を体現してるわけです。それだけなら構わないのですが、人間の体はまるで社会のように個々の細胞が影響を及ぼしあって生きているので,ある一種の細胞が永遠の自己の複製の生産と自己の延命を保証されてしまうとたちまちのうちにバランスが崩れ、具体的には、ガンの塊が他の組織に衝突し傷つけ人体が正常に動作しなくなるのです。それでもガンは繁栄を続けようとするので,ほうっておくと遠からず母体は完全に機能停止(脳死)し、3時間後には個々の細胞も完全に生命力を失い体のあちこちに飛散したガン組織も延命できなくなります。
アメリカでは冷凍保存が流行っているようですが、もし人体を冷凍保存するには,3時間以内に死体を保存処理にかけなければなりません。それだけでなく、冷凍時には細胞にダメージとならないように瞬間冷凍しなければなりません。通常物質は表層が冷え,冷凍庫などに入れてると徐々に内側も熱を失っていくのですが,瞬時に物質の3次元的な全ての領域を凍結させるというのは至難の業です。それ以前に、脳死から3時間以内に研究所に持っていくというのが難しいでしょう。もちろん死後の組成というものは完全に不可能というわけではありません。宇宙ステーションのような形の建造物の中で全ての人類が暮らし,生存反応が無くなったらすぐに必要な処置に入ればいいでしょう。瞬間冷凍もひとつですが、細胞が機能している2~3時間の間に肉体を再構成するという手もあります。(そもそも冷凍保存というのが未来に肉体を再構成することを前提にしているのでしょうが)

まあ、死後のサポートの話は置いといて、寿命の伸張に話を戻しましょう。現在多くの人はガンによってくだくだになって死んでいくのですが、ガンがほぼ完全に回避できるというのは無限の命という夢にとって大きな進歩でしょう。これによって、東京Kitty氏は平均寿命120才が見えてきたといいます(哺乳類は最大で性成熟までの年数の5倍生きれるので,人類の性成熟を25とすると理論上125歳までの生命活動が可能)そして、アルツハイマーなどの脳の疾患さえ解決できれば,補助的な人工器官などを使って2~300年の寿命が得られるといいます。個人的には、脳卒中やもやもや病のような血管の病気が非常に難しいと思うので,脳の疾患の根本的な解決はまだまだ遠いでしょう。で、最終的には肉体を完全に人工のものに切り替え,脳と染色体情報のみ保存し遠隔的に操作すれば1000年単位の寿命が得られるといいます。そういえば、イスラエルが永遠に生きるがん細胞の特質を活かした、延命のための研究をしており,この成果が2030年ごろに出るらしく、そのときに50歳未満なら全身の細胞の移植に耐えられるらしいので,人類の死は事故死のみとなる、見たいな青写真を描いた話を聞いたことがあります。

まあ、死の根本的な原因の除去と、偶然の確率的な事故死が起きた後のサポートさえしっかりすればかなりの寿命が得られるでしょうね。

スンスンスーン

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